”SNS”の力ってやっぱでかいよね。
今、『第二次キャンプブーム』というのが到来しているらしい。1泊以上のキャンプへ行く人が5年連続で増えており、特にここ1,2年は大きな盛り上がりを見せています。
僕も例に違わず、ここ数年でキャンプを始めた人間。しかし、僕を含め、世間の皆様たちが「なぜ今キャンプに興味を持ったのか」、「なぜ始めるまでに至ったのか」と、具体的なことは分からなかったので、今回、色々と調べてみました。
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目次
第一次キャンプブームは1990年代
ちなみに、今が第二次ということは、過去に第一次のキャンプブームがあったということ。キャンプ人口が最も多かったのは1996年と言われ、その数1,580万人ほど。(日本オートキャンプ協会調べ)
その時代にキャンプが人気だった理由は、主に2つ。『自動車と週休2日制』が関係しています。
一家に一台が当たり前になった自動車が、移動手段から趣味・レジャーの領域に入り、その延長線上にキャンプがあったというもの。

90年代は、クロカン4WDやRVがブーム / Image by carview.co.jp
また、1992年から国家公務員を始め、週休二日制を取り入れる企業が増え、単純に休暇を過ごす手段としてキャンプが選ばれます。
時代的にもちょうどバブルが終わり、都会での遊びよりも自然と触れ合う過ごし方というのが好まれていました。
その後、2000年に入り、日本の景気とともに全国のキャンパー数が減少。しばらくの間、キャンプ・アウトドアの低迷期が続き(全盛期の半分程度)、2015頃から再びキャンプブームに突入します。
第二次キャンプブームは”SNS”が大きな要因
SNSが、今のキャンプブームを発展させた最も大きな要因と言えます。ツイッター、フェイスブック、ライン、Youtubeなど。数あるサービスの中でも、特に『インスタグラム』の影響はかなり大きなもの。

全世界のユーザー数は5億人以上
インスタグラムは、2014年2月に日本語アカウントを開設。日本のアクティブユーザー数が上昇するにつれ、キャンプ人口も全く同じ成長を見せています。
『インスタ映え』という言葉も世間で周知され、”いいね”を獲得することが一種のバロメーターであり、まさにキャンプはインスタ映えの格好の場所。
単純にキャンプが好きという人だけではなく、より多くの”いいね”を獲得したいSNSユーザーも参加していることが、第二次キャンプブームの要因として一番に挙げられます。
ネット・SNSへの嫌悪感を持っている人も
また、SNS関連でいえば、あえてネットやSNSから離れるためにキャンプを始める人も。『このまま情報を摂取するだけで、ただただ時間が過ぎてしまう』という危機感を”潜在的”に持っている人が多くいます。

ダメだと分かっていても、SNSばかり見ていませんか?
特に、今は子供でも一人一台スマホを持っており、外へ出ずともネットで全てが完結してしまいます。そのため、お子さんを外に連れ出したい親たちがキャンプを始めるケースも多いのではないでしょうか。
現代はまさに”情報の海”。時にはネット・SNSから離れることも必要であり、子供への影響を考えると、楽しく自然と戯れることができるキャンプは最善の選択と言えます。
Amazonなどネット通販の普及
Amazon等のネット通販からキャンプ道具が手軽に買えるようになったことで、キャンプの始めやすさは一気に上がったと思います。
欲しいと思った商品はすぐ手に入るし、何より安いので一通りのキャンプ道具は数万円もあれば揃えることができます。
アニメ『ゆるキャン△』の影響
SNSの次にキャンプブームを牽引しているのがアニメ。日本全体の”文化”であるアニメ・漫画は、キャンプに限らず、様々な人の『趣味や嗜好』の部分で大きな影響を与えています。
例えば僕は、スラムダンクを読んでバスケを始めました。他にも、ヒカルの碁を読んで囲碁を始めた人、弱虫ペダルが好きで自転車を買った人。ブラックジャックや仁、のだめカンタービレなどがきっかけで、医学部や音大を目指した人もいるとか。
趣味以外の面では、『けものフレンズの影響で動物園に行く人が増加』というニュースも。
日本に住む限り、漫画やアニメなどのサブカルチャーは切っても切り離せない存在。そんな中、キャンプへ大きな影響を与えたのが『ゆるキャン△』というアニメです。
ゆるキャン△の影響でソロキャン・冬キャンが人気
2018年1月にアニメ放送が開始されて以降、キャンプに興味を持った人がたくさんいます。
特に、ゆるキャンの大きな影響を受けているのは、アニメの舞台となっている山梨県周辺。アニメ放送直後は、ゆかりの地をファンが訪れる『聖地巡礼』が絶えないと聞きます。

本栖湖にある浩庵キャンプ場 Image by yamanashi-kankou.jp
Googleトレンドで「キャンプ」と入力して出てくる地域別の検索数順位1位も山梨県です。

日本で一番「キャンプ」を検索しているのは山梨県民
また、ゆるキャンは多くの人が思うキャンプの固定概念を壊したことも一つのポイント。今までは、『キャンプといえば、夏に大勢で楽しむもの』という印象が強かったのですが、ゆるキャンは主に女子高生が少人数、またはソロで楽しんでいる様子がメイン。
その他、”冬場のキャンプでも楽しめる”という描写もあったため、同時に冬キャンへ多くの人が参入しています。
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アニメや漫画などのサブカルチャーはとても強い影響力を持っているため、ゆるキャン△が第二次キャンプブームの一端を担っていると言っても決して過言ではありません。
ちなみに、ゆるキャン△のアニメ全話は「U-NEXT」で見ることができます。キャンプに少しでも興味があれば、一度は見た方がいいアニメ。「キャンプに行きたい欲」が湧いてきます。
漫画版はこちら。
グランピング
キャンプの流行を語る上で、近年登場した『グランピング』も外せません。第二次キャンプブームの始まりが2015年であり、グランピングが流行ったのとほぼ同じ時期。
日本初のグランピングリゾートは、2015年10月に生まれています。
グランピングとは?
グラマラス(魅惑的な)とキャンピングを掛け合わせた造語。ホテル並みの設備やサービスを利用しながら、自然の中で快適に過ごすキャンプのこと。従来型のキャンプとは一線を画し、テントの設営や食事の準備などの手間がかからず、初心者でも気軽に楽しめる点が人気を集めている。
Via : kotobank.jp/
キャンプを始めるまでの準備(道具を揃える、テント設営、料理、寒さ対策、片付けなど)を不便や面倒と感じる人も少なくないでしょう。グランピングであれば、そういった手間を全て省き、誰でも快適なアウトドア体験ができます。

今までにないホテル×キャンプの組み合わせ
また、どこのグランピングスポットも『インスタ映え』を意識した設備やサービスを作り上げています。手軽さ・インスタ映え抜群なのが女性の間で受け、グランピングからキャンプに興味を持つ人が増加しています。
キャンプメディアの存在
長くなりそうですが、キャンプブームの要因はまだまだあります。それはアウトドアメディアの存在。
キャンプ関連のメディアと言えば、「キャンプハック」が有名ですが、それを運営する株式会社スペースキーの別サイト「なっぷ」もキャンプブームの盛り上げに大きく関わっています。
ちなみに株式会社スペースキーの運営するメディアの規模は以下の通り。
月間総UU数550万UU
月間総PV数4,700万PV
なっぷ 2019年3月13日時点
月間総UU数190万UU
月間総PV数2,700万PV
掲載キャンプ場3,813施設
他にも登山の「YAMA HACK」や釣りの「TSURI HACK」、自転車の「CYCLE HACK」、アウトドア全般を扱うアプリ「Sotoshiru」なんかも運営していて、全部合わせると月間1億PV以上。
・・・話を戻しますが、「なっぷ」は”ネット上”からキャンプ場の予約ができるサービスです。今までは電話での予約が主流でしたが、なっぷの登場で”スマホのネットから気軽に”キャンプ場の予約ができるようになりました。
現在も電話予約しか受け付けていないキャンプ場も多くありますが、おそらくネットで予約できるキャンプ場と比べると顧客満足の点で大きな差があります。
また、写真を撮ってすぐにシェアしたい現代っ子にとって、ネット環境の設備も重要。
それだけキャンプ業界にとってネットやメディアの存在は大きく、キャンプブームを盛り上げると同時に今後の課題でもあります。
あとはヒロシさんをはじめ、キャンプ芸人、キャンプYoutuberの働きも大きなものと言えます。
大手広告代理店の「博報堂」もアウトドアに進出
今回のキャンプブームと直接は関係ないかもしれませんが、日本を代表する広告代理店の「博報堂」も2017年4月にアウトドアメディアの広告を専門に扱う博報堂DYアウトドアという100%小会社を設立しています。
HakuhodoDY outdoorは変わりつつあるアウトドアメディアビジネスを進化させるために、
株式会社博報堂DYメディアパートナーズ アウトドアメディア局を分社化し、誕生しました。アウトドアメディア全体をプロデュースするプロ集団を目指します。
日本一二を争うほどの広告代理店ともなると勝算なく飛び込んでくることはまずないと思います。それだけキャンプ・アウトドア人気は高まってきており、お金になるということでしょうか…。
キャンプやアウトドアのブログを始めようか悩んでいる人は今がチャンスかもしれませんね…!
今後も盛り上がりそうなキャンプ業界
キャンプは道具を揃える必要があり、他の趣味に比べると少しハードルが高い印象を持たれています。
ですが、グランピングやネット予約サイトの登場、ゆるキャン△が流行ることにより、多くの人がもっと身近に感じられるようになりました。特に、『インスタ映え』の効果は大きく、今までになかった対象の人たちが参入してきたのは大きいと思います。

もちろん、既にある主要のアウトドアメーカーやキャンプ場を経営する人たちのおかげで、今のキャンプブームがある事を忘れてはいけません。
キャンプが流行れば流行るほど、様々なキャンプ道具やサービスが登場し、今後もこの業界は盛り上がりそうな予感。
最後に、この記事はあくまでも僕個人が勝手に考察していること。流行というのは、様々な要因があって生まれるものなので、今回紹介したSNSやアニメ等はその一部でしかありません。
キャンプブームが終わりを迎えるとどうなる?
ブームと言われるものは必ず終わりを迎えます。
ライト層の参入(というか単純に人が増えれば)マナーが悪い人だったり、荒れる可能性もあるので、ガチ勢は「早くキャンプブームよ去ってくれ〜」と思っている人も少なくないでしょう。
僕自身は単純にキャンプブームが終わると悲しい気持ちもありますが、良いこともあると思っています。それは、みんなキャンプ道具を売るってこと。
1,2回しか使ってないほぼ新品同様のキャンプ道具が安く手に入ります。僕は「オークファン」っていうサイトで、ヤフオクを始め、様々なオークションサイトの相場を常に監視しています。相場よりも安くなっていたら即買いですね。
そういった面もあって、キャンプブーム自体にもメリットはあるし、終わることでも良い部分はあります。
全然関係ないのですが、最近名古屋に引っ越してきてキャンプをする機会がグッと減ってしまいました。そして今一番興味あるのはキャンプよりも”バンライフ”です。
バンライフのインスタ映え半端ないって!

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